小説の書き方

7+2個の最低限覚えるべき「小説の書き方ルール」とは?

enkzm

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この記事では小説を書くなら最低限これだけは押さえて欲しいというルールをご紹介しています。
具体例を挙げながら分かりやすく説明するので、「小説執筆初心者の人」や「すでに書いているけどルールを無視してしまってるかも……」という人に読んでもらえたら幸いです。

はじめに。小説の書き方にルールなどない……?

誤解のないよう、まず前置きさせてください。

この記事の主旨には反しますが、本来は小説を書くことにルールなど存在しません

もしあるとすれば、読者にとって「分かりやすいこと」と「面白いこと」の2点です。

ではこの先ご紹介するルールは何なのかと言うと……。

そういう”ならわし”だから従っておいて損はない、くらいに考えてもらえればと思います。

なのでもし、”ならわし”(ルール)を無視することが自分の小説表現に必要だと感じた場合は破ってもOKです。

ただ読者の視点に立つと、ルールに従った読み慣れた文章の方が絶対に読みやすいです。
それに、作者があえてルールを無視したことの意図が伝わらなければ「この小説の作者は基本も理解していない」というレッテルを貼られてしまうでしょう。

なので、特に意図がない場合は、これから紹介する最低限の小説ルールを守るよう心がけてくださいね!

ハル
ハル

丹精こめて書く小説だ。
ルールを守らないことで、読まれる前から軽んじられるのは勿体ないよな。

ラウ
ラウ

ルールは簡単なものばかりよ。
深く考えず覚えてみてね。

【全部で7つ】小説執筆における最低限のルール

これだけは押さえて欲しいという最低限のルールは7つです!

①行頭は1字空ける。ただし発言「」や、心の声()の場合は空けない。

お持ちの小説(書籍のもの)をご覧になってみてください。
行頭(改行した後の最初の部分)には1字分の空白があると思います。

学校で作文を書くときに習った人も多いと思いますが、小説文章でも行頭は1字分空けてください

ただし、発言を表す「」や、心の声を表す()の場合は1字空けなくてOKですのでご注意を!

加えてもう1点。
ネットで公開する際は必ずしも行頭を空ける必要はありません。

書籍形式の場合は基本的に文章を詰めて書きますが、ネット文章は改行を使うことで読みやすくすることができます。

ネットで公開する場合は、読みやすさや見やすさに配慮すれば、無理に行頭を空けなくもOKとお考えください。
(今ご覧頂いているこの文章も、改行多めで行頭を空けていませんよね)

一方で、あくまで小説ルールに則りたい人や、ネット公開であっても行頭を空けた方が美しいと感じる人は、もちろん1字空けてもらって問題ありません!

凪(なぎ)
凪(なぎ)

ねっとで書くときも、読んでくださる方への配慮をおわすれなく!

行頭は1字空ける&「」と()のときは不要!

○を空白だと思ってください↓

普通の人間には角などない。
つまり目の前にいるのは人間ではないということで、
「鬼だ」←↓「」と()は、○がいらない。
「はい。鬼にございます」
独り言のつもりだったけど、朗らかに返されてしまった。

②発言「」や、心の声()の最後に句点(。)は不要。

発言を表す「」や、心の声を表す()の最後には句点(。)を書きません。
ただし、途中の文章の末尾には必要です!

「」と()の最後は句点(。)不要!
ただし途中には必要です。

「ふふ、面白い方だ。(←必要)そんなことは微塵も思っていないような顔をされています(句点不要)
「あいにくと生まれつきこういう顔なんですよ(句点不要)
「左様でございますか。(←必要)——ほんとうに面白い(句点不要)

③感嘆符(!)と疑問符(?)の後ろに句点(。)は不要

これは感覚的に分かる人も多いのでは……?
感嘆符(!)と疑問符(?)の後ろに句点(。)は不要です。

!と?の後ろに句点(。)は不要!

NG⇒「こんにちは!。(←句点不要)

OK⇒「こんにちは!」

④感嘆符(!)や疑問符(?)の後ろは1字空ける。

地の文、「」内、()内に関わらず、感嘆符(!)や疑問符(?)の後ろは1字空けます

感嘆符(!)や疑問符(?)の後ろは1字空ける!

○を空白だと思ってください↓

「おぉ!お若いのに出来た坊ちゃんだ。かたじけねぇ。——っと、こんなことをしている暇はねぇんだった!この先でまた抗争が始まってやがる!見たところ坊ちゃんも力なき種だろう?はやく逃げなよ」

ラウ
ラウ

ずいぶん訛ってるわね……。
誰のセリフ?

ハル
ハル

俺の膝くらいの背丈で、二足歩行する紳士な……猫?のおじさんですね。

ラウ
ラウ

ルフ族……にしては品位に欠けるわね……。
ところで今のハルの発言。「猫?」のうしろに空白はいらないわけ?

ハル
ハル

さっきのはそういう表現なので。問題ありませんよ。

↑あくまで僕個人の意見ですが、こんな感じであえてルールを破るのもOKだと思っています!

⑤三点リーダ(…)とダッシュ(—)は偶数個を並べて使う。

沈黙を表現する三点リーダ(…)。
間を表現するダッシュ(—)。

どちらも小説では多用される表現ですが、これらを使うときは偶数個で並べます

三点リーダ(…)、ダッシュ(—)は偶数個で並べる!

「…」は1個、「………」は3個なのでNG。
「……」は2個、「…………」は4個なのでOK。

ダッシュも同様に「—(1個)」「———(3個)」はNG、
「——(2個)」「————(4個)」ならOK。

ちなみに偶数ならいくつ並べてもOKですが、長すぎるとチープな印象を与えてしまうので普段使いにするのは2個、4個、6個くらいまでがおすすめ。
かくいう僕は2個がほとんどで、4個をたまに使う程度にしています。

とはいえ、ここぞといいうシーンでは8個、10個……と使ってもらって、もちろん大丈夫です。
ライトノベルなんかだと、たまに見ますよね。表現の一つとして大量に並べてるシーン。

凪(なぎ)
凪(なぎ)

……………………………………………………………………………これでいくつでしょうか?

ハル
ハル

29個だから正しくないけど……。
ここまでくるともう分からないな。

⑥漢数字か算用数字の選択は、縦書きか横書きかで決める。

漢数字(一、二、三……)か、算用数字(1、2、3……)のどちらを使うか。
基本的にですが、小説を公開する場が縦書きか横書きかで決めれば間違いないです。

漢数字と算用数字。どちらを選択する?
  • 書籍にしたり、Kindleなどの電子書籍で公開する場合は縦書きになるので漢数字を使う。(ネット小説を前提にしない小説賞へ応募する場合も縦書きを想定して漢数字でOK)
  • 小説投稿サイトなどでネット公開する場合は横書き公開なので算用数字を使う。

もちろん絶対ではありませんが、特に意図がなければ上記のように考えてください!

ドルフ
ドルフ

漢数字と算用数字。どちらを使うか決めたら、作品内で統一するのも忘れないようにするんだ。

⑦発言「」内や、心の声()内で”引用”するときは「」以外を使う。『』が一般的。

発言「」内や、心の声()内で”引用”するときは「」以外を使ってください。

ちなみに引用っていうのは、「誰かが言っていた内容」や「書物に書かれていた内容」などをそのまま持ってきて使う事です。

ただ小説の場合、引用であることを識別できるようにする必要は、かならずしもありません。
その引用部分を強調したい場合などに使う程度と考えてもらえれば大丈夫です。

僕はまだ小説文章で引用を使ったことがないのですが、調べてみたところ、発言の「」内や心の声の()内で引用するときは『』を使うのが一般的なようですね。
(……完全に好みの問題ながら、もし僕が小説内で引用を使うなら” ”を使うと思いますが)

「」内や()内での引用部分では『』を使う!

NG⇒「あの人、言ってたよ。「あいつは本当にすげぇやつだ」って」

OK⇒「あの人、言ってたよ。『あいつは本当にすげぇやつだ』って」

ルナ
ルナ

「」のなかに「」がある方は読みにくいな。

【+αの2つ】これも知っておいてほしい小説ルール

これまで紹介した7つが、最低限覚えてほしい小説執筆のルールです。
加えて、もう2つ押さえてほしいルールがあります。

必須ではないですが、この2つも特別な意図がない限り守ることをおすすめします!

①発言「」内や、心の声()内では改行しない。

地の文とは違い、発言の「」内や、心の声の()内の文章は改行しない場合が多いです。

「」内と、()内では基本的に改行しない。

「そのままの意味ですよ。カーモスでは争い事が茶飯事ですからね。大概は個人間の小さないざこざで済みますが、ときには組織だった抗争もありますし、例え個人同士の喧嘩であっても、それが力ある者たちの場合、甚大な被害を及ぼします。まあ、貴方様の場合はどんな小さな争い事にも関わらないことをおすすめしますよ」

↑OKな例。長い文章でも改行はしない。

「もう一つの条件も呑んでもらえたんですよね」
「もちろんでございます。
一、ヒト族・木崎ハルの身柄と引き替えに101億円を譲渡する。
二、このうち1億円は木崎ハルに、残る100億円を全国の児童養護施設に公平かつ直接配布する。またこれをニホン国首脳に知らせる。
——よろしいですね?」

↑意図があれば改行してもOK。この例では、条件2つを箇条書きのように書きたくて改行しました。

②「!」「?」など以外の記号や、絵文字を使わない。
(章やシーンの区切りに記号を使うのはOK)

小説で使われる記号は、主に「!(感嘆符)」「?(疑問符)」「…(三点リーダ)」「—(ダッシュ)」くらいです。

上記以外の記号、そして絵文字は使わないのが基本とお考えください。

絶対にNGとは言えませんが、一歩間違うと読者にチープな印象を与えたり、基本も知らない作者だと思われる可能性があります。

……とはいえ、「〜」や「=」などの記号は、プロの作品でも見かけることがあるし使い方しだいですね。

それともう一点。
シーンや章の区切りを示すときは、お好きな記号を使って頂いて大丈夫ですので。

シーンや章の区切りとしてなら、お好きな記号でOK!

シーン1

 ♢

シーン2

↑こんな感じで「♢」などを使うのは問題ありません。よく見かけますよね。

「♢」「♦」などが多い気がしますが、「❖」や「†」など好みや作品の世界観などで選んでいただければと思います。

【まとめ】小説における最低限のルール【7個(+2個)】

今回は小説における最低限のルールを7個に加え、捕捉として2個ご紹介しました。
これらに関しては、そういうものなのだと思って覚えてしまってくださいね。

それでは最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

念のため、ご紹介したルールを一覧にしておきますね↓

この記事で紹介した小説ルール一覧
  • 行頭は1字空ける。ただし発言「」や、心の声()の場合は空けない。
  • 発言「」や、心の声()の最後に句点(。)は不要。
  • 感嘆符(!)と疑問符(?)の後ろに句点(。)は不要。
  • 感嘆符(!)や疑問符(?)の後ろは1字空ける。
  • 三点リーダ(…)とダッシュ(—)は偶数個を並べて使う。
  • 漢数字か算用数字の選択は、縦書きか横書きかで決める。
  • 発言「」内や、心の声()内で”引用”するときは「」以外を使う。『』が一般的。
  • 発言「」内や、心の声()内では改行しない。
  • 絵文字や、!や?など以外の記号を使わない。(章やシーンの区切りに記号を使うのはOK)
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葛史エン(くずみ えん)
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